今年の三月に浸潤性乳癌で全摘手術をしました。現在、抗がん剤治療中です。担当医...
さん今年の三月に浸潤性乳癌で全摘手術をしました。現在、抗がん剤治療中です。担当医からは、次に再発したら緩和治療しかないといわれています。 術後の病理検査の結果、とても転移のしやすい癌だと言われ、毎日心配しております。先程、母の足首が骨折したかの様に浮腫しているのを見て、他臓器に再発しているのではなぃと心配しております。浮腫は何かのサインなのでしょうか?
再発した場合は、やはり治療方法はなく死ぬのを待つしかないのでしょうか?
再発した時の症状等もあれば教えて頂けないでしょうか?
さん
術後に出てくる遠隔転移、つまり全身のどこかに出てくる転移のことを再発といいます。乳がんの場合、一般に再発が起こりやすい臓器は、骨、肺、肝臓、脳、リンパ節、などですが、他にも全身の全ての臓器に起こりえます。ですから、症状としてはその臓器ごとの機能的な不全症状あるいは痛みがでるなど様々ですが、足の浮腫はたぶん違うでしょう。普通、再発の有無は症状が出るより前に術後の定期的な検査でわかります。数ヶ月ごとに骨シンチグラフィ、CTやMRI、PETなどの画像診断、そして腫瘍マーカーの血液検査などでチェックします。乳癌の悪性度が高ければ1~2年以内に全身のどこかに再発すると思います。術後のステージが高ければその確率は高く考えねばなりません。仮に再発したとしても、抗癌剤やホルモン剤、放射線治療などの集学的治療でかなり進行を抑えることができます。再発した癌の進行が抑えられば長期間の生存も可能です。乳がんに関しては再発後の治療は、癌のなかで最も研究が進んでいますし、治療法も選択肢があります。乳腺専門医や化学療法の専門医にまかせるのがいいと思います。
それと、緩和治療とは、癌の進行による感覚的な痛みや精神的な痛みを総合的にとらえて、モルヒネや抗精神薬などで症状を和らげる治療のことで、けっして最後になったらおこなうものではなく、初期の再発の段階でも、他の治療と併用して行うのが現在のがん治療の考え方です。