インフルエンザや、他の病気もそうですが、なぜ病原菌はどんどん形を変えていくの...
さんインフルエンザや、他の病気もそうですが、なぜ病原菌はどんどん形を変えていくのでしょう?
日本の技術が、病原菌より上回ることはありえないのですか?
さん
難しい話になりますが。
病原菌に限らず、細菌やウィルス、あるいは虫も植物も魚も獣もヒトも、その設計図は「遺伝子」です。
遺伝子とは、「核酸」という物質の集まりです。これは基本的にはたくさんのタンパク質の作り方を決めているもので、このタンパク質が細胞の機能を維持したり、エネルギーを生み出したり、材料から特定の物質を作ったり…ということをすることで、生命が維持されています。細胞1つにつき、遺伝子を1セットずつ持っています。
で、ウィルス以外の生物の細胞は「細胞分裂」することで増えていきます。その際には、遺伝子(核酸)を複製するという作業が必要です。基本的には全く同じ核酸を複製するのですが、中には偶然に間違って複製されてしまうことがあるのです。
その結果、間違っていても何の問題も起こさないこともありますが、[遺伝子はタンパク質の設計図]ですので、間違ったタンパク質が合成されることがあります。そのせいで細胞の機能がダメになることもありますし、そのまま何となくうまくいくこともありますし、生命にとって非常に有利なものができる可能性だってあるのです。これがいわゆる「変異」です。そして環境に適したもの、増える力が強いものが生き残りやすくなります。
遺伝子が間違って複製される確率はものすごく低いんですが、細菌はそれ以上にものすごくたくさんあるので、結果として変異はそれなりに頻繁に起こる、ということになるんですね。
ウィルスは、これは他の細胞に寄生して遺伝子を複製してもらっています。そのときに複製の間違いが起こる可能性があり、そうなると変異を起こすことになります。
「病原菌が形を変えていく」というのは、そんな偶然の繰り返しなんですね。ですから現代の技術では、「遺伝子の変化を予測して、なおかつそれによってできるタンパク質の形と機能を推定して」…なんてやっているうちに、それこを人類の形が変わってしまうことになると思います。これができればそれこそノーベル賞がいくつあっても足りないくらいの成果になりそうです。
ちなみに、人間の「がん」も、こんな風にしてできていくと考えられています。
さん
>なぜ病原菌はどんどん形を変えていくのでしょう?
僕にはその質問が
「なぜ人はさらなる発展を求めるのでしょう」という質問と変わらないように思えます。
病原菌も生物なのですから(学者によってはウィルスを生物と捉えない人もいるらしいですが)、
自分らがこれからも生き残っていくためにはそれなりの工夫が必要だと思います。
形を変えることによって環境に適した、生き残るための手段を得ているのだと思います。
>日本の技術が、病原菌より上回ることはありえないのですか?
病原菌の進化の先を読むのはさすがに今の日本も無理かと…。
これからの日本であっても、生物の進化の先を予測することは難しいんじゃないでしょうか。
新しい病原菌が出てきて、それを採取し研究を積み重ねることによって
病原菌を上回る対抗策を得ることが出来ると思いますよ。
素人の回答すいません。