黄体機能不全と卵巣機能不全について。それぞれの原因と症状について調べていたら...
さん黄体機能不全と卵巣機能不全について。それぞれの原因と症状について調べていたら混乱してしまって…。分かりやすい説明を頂けると助かります。
あと、どちらもほうっておくと子宮内膜増殖症→子宮体癌になる危険性がありますか?最近不正出血がある 月経周期が50日以上ある(うち低温期が40日くらい)ので病院に行ったのですが、基礎体温表をちらっと見て、一応2層に分かれてるから大丈夫と言われただけで帰されました。自分でネットを見ていたら上記の2つの病気に症状が似ていて心配になってしまって。。ちなみに27歳です。
さん
★黄体機能不全の原因と症状
黄体の機能が不完全なため、黄体ホルモンの分泌が不充分となり
その結果、黄体の作用による変化が充分に起こらず、
妊娠が成立しにくかったり、不正出血が起こったりといった症状が現れます。
状態にも因りますが、不妊の一因ともなりえます。
「黄体の作用による変化」とは次のようなものです。
?子宮内膜を柔らかくし着床に適した状態にする
?子宮内膜を保持し、妊娠に備えそれを維持する
黄体機能不全の原因ですが、はっきりとわかっていない部分が多いと聞きます。
理由の一つとして、質の良い卵胞が育たなかった場合や、
卵胞を黄体に変化させる時に必要な
ホルモンの分泌に問題がある場合などが考えられています。
★卵巣機能不全の原因と症状
文字通り、卵巣の各機能が不充分となるものです。
卵巣は、ホルモンを分泌する主要な器官ですから、
ホルモン分泌不全に伴う以下のような様々な症状が現れます。
無排卵による生理不順、無月経、不正出血、更年期様症状など。
卵巣の働きが不充分となる要因としては、
卵巣の機能自体が衰えている場合と
卵巣に指令を与える脳からの伝達に問題がある場合の
両方があります。
この大本の原因としては、喫煙やストレス、無理なダイエット
放射線被爆の影響、免疫疾患など様々なものが考えられています。
>どちらもほうっておくと子宮内膜増殖症→子宮体癌になる危険性がありますか?
子宮内膜増殖症は、子宮内膜が異常に厚くなってしまう病気です。
子宮内膜を厚くするのは卵胞ホルモンの作用ですので、
このホルモンが過剰に分泌されると
子宮内膜が厚くなりすぎるという事になります。
黄体機能不全により、黄体ホルモンの分泌量が少なくなると
卵胞を刺激するホルモン(FSH)を抑制する事ができず、
刺激を受けた卵胞から卵胞ホルモンが多く出続ける事になる可能性があります。
そうなると卵胞ホルモン過剰の状態になりますので
子宮内膜増殖症の一因となる可能性はあると思います。
ただ、黄体機能不全の場合経血量は少ない
(≒子宮内膜があまり厚くなっていない)例の方が一般的ではないかと思います。
これは、卵胞の成熟が不充分であるため
そこから変化した黄体も充分な機能を果たせないというケースに当たるでしょう。
この例ですと、卵胞から分泌される卵胞ホルモンも
少なくなっている事が推測されますので、
上記のケースとは逆に子宮内膜増殖症には繋がらないのではと思います。
子宮体がんのうち、卵胞ホルモンに依存するタイプがあります。
黄体機能不全や卵巣機能不全により
卵胞ホルモン分泌下に長期間晒される事になれば、
このタイプの子宮体がんのリスクを上げる可能性はあると思います。
さて、質問者さんのケースですが、周期が50日以上で低温期が40日程度でしたら
高温期は10日間以上あるという事になりますが間違いないでしょうか。
黄体機能不全の判断基準となる高温期の日数には
病院により少し差があります(10日以内だったり9日以内だったり)が、
大体10日を切るようになると黄体機能不全の疑いありと判断されるようです。
質問者さんの場合はグレーゾーンだったのかもしれません。
また、妊娠を希望されている方でなければ
黄体機能不全の積極的治療は勧めないという病院は少なくありません。
これらの事から特に治療の必要はないと判断された可能性はあると思います。
また、不正出血の時期(タイミング)はどうなっているでしょうか。
黄体機能不全の場合は、黄体期中の不正出血が多くなる事が特徴です。
その他、低温期と高温期の温度差や高温期の安定度にも注目してみてください。
卵巣機能不全については、血液検査やエコーなどで卵巣機能を
測定してみなければはっきりとした判断は出せないと思いますが、
基礎体温が二相性を示している(排卵は起こっていると思われる)
という事ですから、急いで診察を受ける必要性はないように感じます。
卵巣機能が低下した場合、基礎体温は一相性を示したり
もっとはっきりと黄体機能不全を表すようなグラフになったりすると思いますので、
早急に妊娠の希望がある場合を除いては、
しばらくは観察をみても良いのではと思います。
今回の診断に不信感を抱くのならば、別の婦人科を受診してみても良いでしょう。