2015年3月15日日曜日

胃がんESD切除(1.5cm粘膜層、侵潤認められず、潰瘍なし)(手術中胃に穴...

胃がんESD切除(1.5cm粘膜層、侵潤認められず、潰瘍なし)(手術中胃に穴...

さん

胃がんESD切除(1.5cm粘膜層、侵潤認められず、潰瘍なし)(手術中胃に穴があき処置)これで再発、転移は開腹手術の失敗より可能性は低いと聞いたのですが、割合はどんなものでしょうか?


さん
胃癌のESDをやっている内視鏡医です。
その胃癌が「高分化型腺癌」であるならば(多分そうだと思いますので)、これまで転移再発の報告は皆無です。皆無=リスクを定量化するのは難しいですが、この条件での我が国での内視鏡治療の総実績と過去の開腹手術のリンパ節転移の統計を総合すれば、症例1万例を越しますので、転移再発のリスクは1万分の1以下(0.01%以下)と推定されます。
一方開腹手術の周術期死亡確率は1%前後(年齢や合併疾患にもよるのですが)です。
0.01%と1%を比較して、その説明になっています。

ただ、ESD後の場合、胃は残るわけで、ピロリ菌除菌をしなかった場合、異所性再発(胃の別の場所から全く新たに胃癌が発生する)のリスクは10%あります。ピロリ菌を除菌するとそのリスクがどこまで下がるのか、現在諸施設で研究されています。

長くなり申し訳ありません。

胃がんESD切除(1.5cm粘膜層、侵潤認められず、潰瘍なし)(手術中胃に穴...