膵臓がんの緩和医療についておしえてください。
さん膵臓がんの緩和医療についておしえてください。
昨年、9月に膵臓がんと診断され、10月に膵頭十二指腸切除術を受けました。
(患者:父:57歳、男性)
その後、再発予防も兼ねて抗がん剤(ジェムザール)を6ヶ月受けましたが
術後10ヶ月目に肝臓への転移が見つかりました。
抗がん剤をTS1に変え続けていましたが、今回のCT検査で肝臓の癌が増えており、
TS1も効果がないとの診断を受け、今後は緩和医療を進められました。
父は心臓が悪くワーファリンという薬を飲んでいる関係で抗がん剤治療も血液の数値をみながらの
実施だったため通常の投薬とは違いました。
現在は、疲れやすいものの普通の生活を送れているため、
本人自身そんなに悪い実感がないようです。
緩和医療とは今後どのような事をしていくのですか?
一般的な意見で構いません。父は今後どのくらい生きられますか?
家族として何ができるでしょう?
さん
お父様が思わしくない状況とのこと、お察し申し上げます。
緩和医療とは、癌を直接対象とする治療とは別に、「生活の質」を高める治療全般を指します。別々にやる物ではなく、がんの治療でつらいときに、それを和らげることも緩和医療の一つです。
ただ、今後は緩和医療主体となることを奨められたのですね。
抗がん剤などは確かに延命効果を期待して行いますが、副作用などでかえって寿命が短くなる場合、たとえ伸びたとしても辛いだけの時間が長くなる場合があります。また、医療処置の中には、呼吸が弱ってきたときの人工呼吸のような、本人は意識がなく、のどに太い管を入れられて外から無理矢理機械で動かしているような、そんな手技もあります。
生活の質をたかめて、残された時間をよりよく生きる、という点から見ると、これらの治療は逆効果なので、控えて行こうということになります。ただ、良い時間だったらどれだけ長くても誰も困りませんから、なるべく今の状態、良い状態を維持するような治療はしっかり行って行く治療です。たとえば、肺炎になったときの抗生剤でなおしたり、食事がとれなくなったときの点滴などです。ただ、点滴もすれば良いという物でもなく、したことで浮腫や呼吸や意識の状態が悪くなってしまうこともあるので、全身の状態とのバランスで調整して行きます。もちろん、痛み止め、息が苦しいときの治療、だるさの治療などもしっかり行います。
予後については、個人差が大きすぎるので一般論では言えません。ただ、アメリカの研究では、膵臓癌対象で緩和医療を早くからやっておいた方が寿命が長くなる、という物があります。痛みや辛さを、脂汗流しながら堪えるより、薬などで症状を和らげて体力の消耗を最小限にした方が、良いということでしょう。
ご家族としては、まずどこで緩和医療を受けるかを主治医とよく相談すること、ご本人がやりたいと思うことを支えること、特別視ではなくいつも通りの環境を作って差し上げることなどが良いと思います。
さん
肝臓に転移があるからという理由だけで緩和という選択をする必要はないのではないでしょうか?
一般に緩和医療というのは、!一切!がん治療を行わず、痛みに対してモルヒネを中心とした投薬を行うことを意味します。保険医療体系の中では膵臓癌肝転移には抗癌剤のみですが、状況によっては、全病変へのピンポイント放射線治療(IMRT)と樹状細胞による特異的免疫治療の可能性もあります。ワーファリン投与中とのことですから、樹状細胞の局所投与は難しいかもしれませんが、WT1ペプチドを使ったワクチンなら可能性があります。ただし、肝機能が温存されていること、肝全体に癌がひろがっていないことなどの条件があります。
以下のクリニックでは、ピンポイント放射線治療と特異的免疫治療の併用が
可能です。ご興味がおありでしたら、一度ご相談されてはいかがでしょうか。
セレンクリニック 無料医療相談
お問い合わせ: 03-3449-6095
ホームページ:
http://www.seren-clinic.com/
【参考】最先端がん治療『免疫放射線療法 (放射線治療+がん標的免疫療法) 』
http://www.seren-clinic.com/case/2007/09/post_5.php
※免疫放射線療法とは、セレンクリニックのがん治療であるがん標的免疫療法
(がん樹状細胞療法)と当クリニック連携医療機関で行う、定位的放射線照射
/ 定位照射(高い精度でがんに集中して放射線照射する)という、最先端の
放射線治療とを併用する新しいがん治療法です。