母が抗がん剤治療中です。血管がかなり細くなりなかなか点滴の針が腕や手の甲に刺...
さん母が抗がん剤治療中です。
血管がかなり細くなりなかなか点滴の針が腕や手の甲に刺せないため胸に穴をあけて
点滴の穴を確保するような手術を受けるとのこと。
これについてのメリット、デメリットを教えてください。
さん
ポート留置術を勧められている、ということでしょうか。
前腕?前胸部などの皮膚を切開して(胸に穴を開けるわけではありません)
血管を露出し、薬液を注入する管(カテーテル)を血管内に挿入します。
血管外に出した管の端にポートという器具をつけて皮膚の下に埋め込みます。
皮膚の上から針を刺し、ポート上面の膜を貫くと、ポート内からカテーテルに
薬液を注入できます。
http://www.nutri.co.jp/dic/ch7-2/keyword3.php
ポート留置のメリットは
1)薬液を皮下にもれることなく投与できる。
2)針を刺すときの痛みがほとんどない。
3)カテーテルを上大静脈まですすめておけば、高カロリー輸液が
実施でき、口から栄養が取れなくなっても経静脈栄養ができる。
リスクとしては、
1)留置直後、埋め込み部位などに局所感染を起こすリスクがある。
2)留置後肺炎などから血管内に細菌が入ると、カテーテルに菌がつき
カテーテル感染症として遷延化することがある。
3)前胸部に留置する場合、留置した側の腕の浮腫をきたす事が稀に
ある。
これらの合併症が重篤な場合には、留置したポートを抜去する手術を
行う事があります。
ただ、上記のリスクは高い物ではありません(かなり稀といってよいと思い
ます)。ですから、現状よりも治療の効率?安全性を改善させる治療と
思います(抗癌剤の治療効果を保障するものではありません)。
現実に抗癌剤の継続が難しくなっているなら、受けられるメリットの方が
大きいと思います。