2013年6月26日水曜日

手術代ってまかりますか?

手術代ってまかりますか?

さん

手術代ってまかりますか?

先日、親戚のおじさんが胃がんの手術をしました。
初期の段階なので、内視鏡手術で手術をしました。
胃カメラを飲むように口から内視鏡をいれてそのまま切って口からがん細胞をとりだすという術法でした。
いまは医学が発達してるんですね。
そのとき、手術代として健康保険を使って10万くらいの支払いがかかりました。
そして1週間後くらいに退院しました。
その後、検査をしたら、奥のほうにまだガンが残っているといわれ再手術を言われました。
次は、開腹手術だそうです。
その親戚のおじさんは、「それなら初めから開腹手術をしてくれれば1回ですんだのに」といいました。
私も同じように思います。

この場合、また開腹手術代のお金を支払わされるのは当たり前とは思いますが、二度手間でさらに 術法はちがいますが、ある意味、代金も二重取りですよね。
言えば、安くなるものなんですかね?
それとも医者のいいなりですか?
まぁ、患者の負担を軽くしたのであれば内視鏡手術を薦めたい医師の気持ちもわかりますが???

どうも納得がいきません。

さん
医療費は10円単位ですべて国で決められた法定価格のため、一銭たりとも安くすることはできません。

そもそも、患者さんの体の負担をできるだけ少なくするために内視鏡手術をしたのです。その結果、たまたま取りきれなかったため再手術となったようですが、それは結果論です。もし取りきれていたら体力的に負担の少ない内視鏡手術だけで済んだわけです。

内視鏡手術をせずに最初から開腹手術をして、おなかに大きな手術跡と、体力低下や、少ないですが縫合不全による再手術?感染?術後の腹膜癒着による腹痛や腹壁ヘルニアなどの合併症をおこす危険性?将来ダンピング症候群や貧血といった胃切除後症候群をおこす危険性を選択したかったのであれば、内視鏡手術を断ることもできたわけです。私なら内視鏡手術を希望しますが。
なお、最初に開腹手術をしたからといって、必ずしも一度に全て取りきれると決まったわけではありません。

医療費は成功報酬ではありません。医療は不確実なものであり、最初に施した結果で、その後の体がどうなるかは、その処置?治療を行ってからでないとわかりません。
医師は、いくつものある選択肢の中から、できるだけ患者さんの体に負担のないように、できるだけ健全な生活が長く営めるように、できるだけ安全なように治療法を選んでお勧めします。その結果が医師や患者の期待通りに運ぶとは限りません。
かつてと違って現在では、医師は成功率や危険性などを提示して、最終決定は患者に選んでいただくことが多くなりました。もちろん、患者側には知識が不足しているため、医師側がある程度お勧めの治療法に意図的に誘導していることは否めません。それが患者さんにとって最もよい結果が得られる選択肢だと信じている場合はその選択肢を強く勧めます。だからといって、結果を100%保証しているのではないことをご理解ください。

医療が不確実なもので、その結果がどうなるか、医師もはっきりわかっているわけではないことをご理解いただいたうえで、現代医療の恩恵とリスクを受容してください。
リスクが受容できない方は、残念ですが是非現代医療を拒否してください。
人体はいくつもの奇跡が組み合わさって創造された産物ですが、医療は神が施す奇跡ではありません。人体の設計図や修理方法を、現代医療はまだ手に入れていません。

さん
そういうリスクも含めて、最初の手術の説明があり、同意して、内視鏡手術を受けたはずです。
結果が自分の期待したものでなかったからと言って、代金をまけろ、とは、
こういう患者のことを一般にモンスターと呼んでいます。
保険医療というのは、考え方としては、お上の出先機関です。社会保障制度の1つなのです。
正しく算定→請求→徴収することになっています。
たとえ、職員、親戚などであっても、値引きは違法です。

さん
昨年の夏に父親が胃がんになり、開腹手術で胃全摘出しました。その後1ヶ月ほど入院して、総額40万円ほど支払ったらしいです。少しでも参考になれば幸いです。

手術代ってまかりますか?