癌ってどうして、CTなど画像の検査だけでは見つからないことがあるのですか?
さん癌ってどうして、CTなど画像の検査だけでは見つからないことがあるのですか?
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そもそも、CTでは1cm未満の癌は基本的に見つけることができません。
胃がんや大腸がんなどはヒダ状の腸管にまぎれてしまうため、相当大きくないとわかりません。
体の中の1-2cm程度の構造物はたくさんあるので、そのくらいの大きさだと診断が困難です。
数cmだと、大体見つけられるようになります。
CTは、「肉」と「水」「空気」「骨」程度は確実に見分けますが、正常の臓器の中に小さな癌があっても、周囲と差がないために見つからないこともあります。造影剤を使えば診断確率は上がりますが、副作用の懸念もあり、健康な人たくさんを対象に行う検診では、適切ではありません。
また、癌は数cmになってから見付けても、進行がんになっている可能性が高く、治療効果も低くなります。
ですので、CTで見つかる前、ミリ単位、せいぜい2cm程度までで見つけられるかが勝負です。しかし、体の中を的確に見れる検査は基本的にはCTなので、上述の壁にぶち当たるのです。
目で見れる検査(胃カメラ、大腸カメラ)や、体の表面で検査しやすい癌(乳がん、子宮頚部など)は、ミリ単位でも見つかる可能性がありますが、それ以外のがんはなかなか難しいのが現状です。