2012年7月16日月曜日

妊娠前のX線被曝の影響について。詳しい方がいらっしゃいましたら教えて下さい。

妊娠前のX線被曝の影響について。詳しい方がいらっしゃいましたら教えて下さい。

さん

妊娠前のX線被曝の影響について。
詳しい方がいらっしゃいましたら教えて下さい。

33歳既婚女子です。
腹痛や便鮮血の症状があり、5月に腹部CT、8月に胃透視、9月に注腸X線と腹部X線を受けました。
検査の結果は特に問題ありませんでしたが、かなり多くの放射線を浴びたと思います。

そしてこのたび妊娠が分かったのですが、今頃になって、妊娠前に受けたX線の影響が心配でなりません。
妊娠したのは10月上旬の月経後です。

妊娠前の被曝でも、卵子は影響を受けるのでしょうか?
また、染色体異常などの確立は高くなるのでしょうか?
もしそうだとすれば、妊娠までいくらか期間を置いたほうが良かったのでしょうか?

今は妊娠の喜びよりも、X線の影響の方が不安でなりません。
どうか分かる方いらっしゃいましたら教えて下さい。

さん
診療放射線技師をやってます。
被ばくの人体に対する影響の話は詳しく説明すると長くなりますので、
なるべく胎児に関係する影響について、絞ってお話します。

まず卵子への影響ですが、生殖腺(女性)への被ばくの影響として、一時不妊や
永久不妊が考えられます。
これらの影響は、しきい値(影響が発生する最低線量、その値以下では
絶対発生しない)が存在するとされていて、
一時不妊:650~1500mGy
永久不妊:2500~6000mGy
(値のバラツキはいろいろな文献があるからです。「mGy」は被ばくの単位ですので
特に気にしないで)と言われています。

次に胎児への影響なのですが、これにもしきい値が存在し、「100~120mGy」
とされています。
ただ胎児への影響は、被ばくした時期が大きく関係していまして、
(受精~15日)??????流産
(受精後2~8週)????形態異常
(受精後8~15週)???精神発達遅滞
と言われています。

ということで、9月に被ばく、10月に受精ということですので、
胎児への被ばくはあり得ず、不妊にはなってらっしゃらないので、
今回は放射線の影響は心配ない、ということになります。

せっかくですので、もう少し放射線の影響についてお話させていただきます。

質問者様の撮影による被ばく線量ですが、それぞれの検査の子宮への被ばく線量は、
腹部単純X線:0.36mGy
腹部CT:10mGy
胃透視:0.5mGy
注腸:30mGy
とされています。(施設や術者により差はありますが)
上記の影響は一度に受けた線量に対してですが、仮に同日にすべての検査を
行っていたとしても、しきい値の100mGyには届きませんので、妊娠していたとしても
中絶の必要はありません。
(日にちが空けば、細胞は修復されますので、単純な線量の足し算ではなくなります)

最後に、がん?白血病?遺伝的影響などは、しきい値が存在しないのですが、
「遺伝的影響はヒトでは報告された事例がない」
「がんの発症は、さまざまな化学物質?食生活?喫煙が原因とされ、
医療に使われる放射線の影響は考慮できないくらい小さい」
と言われています。

以上、長々と申し訳ありませんでした。
仕事上、被ばくについてよく質問を受けるのですが、皆さん必要以上に
怖がっているように思います。撮影に使う放射線の線量はホントに微々たる物ですので、
みなさん安心して検査を受けてください。

予定日は来年の初夏ぐらいでしょうか。
新しい命の誕生を祝いながら、無事な出産をお祈り申し上げます。

さん
私も同じような経験がありますが、妊娠前は関係ないと産婦人科で言われました。

妊娠前のX線被曝の影響について。詳しい方がいらっしゃいましたら教えて下さい。